インプラントは歯をおぎなう治療法の中でも、もっとも自然な見た目を回復でき、しっかり噛めて快適であることから、人気が高まっている治療法です。
それだけに、インプラントに保険が適用されるのか、気になっている方も多いのではないかと思います。インプラントと保険との関係についてご紹介していきます。
結論から申しますと、現在の日本では基本的にインプラントは保険が適用されません。今後保険適用になるか、という議論がなされることがありますが、現段階では今後も難しいと言えるでしょう。
結インプラント以外に歯を失った部分をおぎなう治療法として、ブリッジと入れ歯がありますが、こちらは保険適用が可能な治療法です。保険が適用になれば、治療費も安く抑えられますが、保険適用のものの場合、保険の制約があるため、様々な面で妥協しなければなりません。一方、自由診療のものであれば、ブリッジも入れ歯も審美性に優れた、快適なものを入れることが可能になります。いずれにしても、満足度の高い治療法、ということになると、自由診療ということになってしまいます。
ブリッジというのは、歯を失った部分に両隣の歯から橋を渡すように連結した被せ物を固定する方法です。
前歯にブリッジをする場合には、表側が白い被せ物をすることができますが、保険の決まり上プラスチック素材になりますので、のちに黄ばんできたり、歯垢がたまりやすく、歯茎も炎症をおこしやすくなります。
前から4番目以降の奥歯になると、銀歯しか適用できませんので、審美的に問題が出てきます。
入れ歯は取り外し式のもので、歯の抜けた状態によって部分入れ歯と総入れ歯に分けられます。どちらも保険適用は可能ですが、他の治療法に比べて違和感が強く、噛み心地も劣ります。
部分入れ歯の場合、歯のない部分に隣接する歯に金具がかかりますが、その金具が見えると審美的ではありませんし、金具のかかる歯に異常な力がかかって歯にダメージを与えてしまいます。
総入れ歯の場合、プラスチックの材料で作られますので、強度を持たせるためにどうしても厚みが出てしまいます。そのため、違和感が強かったり、温度を感じづらいというデメリットがあります。
インプラント治療に保険がきかない理由として、それが贅沢な治療として捉えられていることが挙げられます。
つまり、インプラントでなくても保険治療でできる他の治療法がある、インプラントは見た目を重視した審美的な側面の強い治療法である、と捉えられているのです。
現在の日本の健康保険では、病気を治す治療や、失われた機能を回復する治療に対して保険が適用されるようになっており、見た目を良くするための治療には保険がききません。インプラント以外の保険の治療法でも十分に失われた部分を補うことができ、かめるようになるため、インプラントのような機能回復以上の審美的な要素が強い治療法は、とても最低限の治療としては見なされず、保険が認められていないのです。
インプラントは通常行われているものの場合、保険はききません。ですが少ないケースでは、例外的に保険が適用される場合というのもあります。それは次のようなケースです。
■先天的にあごの骨の形が不完全な場合
■上あごの骨の3分の1以上が連続して欠損していて、鼻腔や副鼻腔にまでそれが及んでいる場合
■病気が原因、もしくは第三者が起こした事故が原因で、あごの骨の3分の1以上が連続して欠損してしまった場合
実際のところ、以上に当てはまるケースというのはあまりありません。通常は虫歯や歯周病などで歯を失うケースというのがほとんどですから、一般的にこの条件に当てはまる方は滅多にいないと言ってよいでしょう。
しかし、万が一上記の条件に当てはまる場合で、インプラント治療を保険で受けたいという場合、治療が受けられる医療機関というのは設備が整った病院などに限定され、一般の歯科医院で受けることはできませんので注意が必要です。
インプラント治療は保険がきかないので費用はどうしても高額になってしまうのは避けられません。ですが、医療費控除の制度を利用すれば、治療でかかった費用の一部が還元されます。
医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に、自分自身又は生計を共にする家族が払った医療費が10万円を超えた場合、所得に応じて所得税が減額されて医療費の一部が戻ってくる制度です。
この医療費の中には、インプラント治療に支払った治療費の他にも、薬局で支払った薬剤費、通院するときにかかった公共交通機関の交通費なども含まれます。(自家用車で通った場合のガソリン代、駐車場代などは含まれないので注意です)通院費は診察券などで通院した日を確認できるようにしておくこと、また、金額も記録しておくことが大事です。
控除を受けるためには、支払いを証明する領収書を確定申告書に添付、または提示できるようにしておく必要があります。そのため、治療にかかった領収書などは捨てずに保管しておきましょう。
確定申告の期間は、翌年の2月16日〜3月15日までの期間です。(サラリーマンの場合の還付は1月以降)
確定申告の期間を過ぎても申請は可能で、忘れていても5年間遡って申請することが可能です。詳しくは最寄りの税務署に確認しておきましょう。