オールオン4治療後に発音しにくい?喋りにくいと感じる理由は?

わずか4本のインプラントで12本の人工歯を入れることができるオールオン4は、利便性の高さと体への負担の小ささとコストパフォーマンスのよさから、口腔内に深刻な問題を抱えている患者さんから支持を受けています。
ところがオールオン4を入れてから「発音しにくくなった」「喋りにくくなった」と訴える患者さんがいます。
なぜこのような症状が起きてしまうのでしょうか。
そして、オールオン4を入れたことによる「発音のしにくさ」や「喋りにくさ」は解消するのでしょうか。今井歯科が詳しくご説明します。

「オールオン4を入れて喋りにくくなった」という声

「オールオン4を入れて喋りにくくなった」という声

まずは、オールオン4を入れて「喋りにくくなった」という方の、実際の声を紹介します。

「オールオン4を入れましたが、どうもしっくりこないため治療した歯科クリニックで調整をしてもらっています。しかしなかなか違和感が取り除くことができません。
ずっと口のなかに『薄手のマウスピース』を入れているような感じです。
最も困るのは喋りにくさで、特にサ行、タ行、ラ行が言いにくいのです」

オールオン4を「入れたばかり」の方のなかには、「自分もそうだ」と感じている人もいるのではないでしょうか。
喋りにくさが発生する理由をみていきましょう。

オールオン4は「体積」が大きいから

オールオン4はインプラント治療の1つです。チタン製の人工歯根(フィクスチャー)を顎の骨に埋め込む方法は、一般的なインプラント治療もオールオン4治療も同じです。
ただ一般的なインプラント治療とオールオン4治療では、口のなかに入れる構造物(部品)の体積が異なります。

一般的なインプラント治療の場合、天然の歯とほぼ同じ体積です。よって、抜けた天然の歯の代わりに一般的なインプラントの人工歯を入れても違和感がないのです。
しかしオールオン4の体積は総入れ歯よりも少し小さいくらいなので、より大きな人工物を口のなかにいれている状態になります。
口のなかの異物は、それが小さなものでも発音に悪影響を及ぼします。声は、喉と舌と歯と頬の内側の調和によって生まれるからです。口のなかに違和感があるとその調和が崩れ、従来の声を出すことができなくなってしまうのです。

ちなみに、総入れ歯を入れていた人は、オールオン4治療後に「喋りにくくなった」という訴えが少ない特徴があります。それは発音するときに、総入れ歯を含めて調和を取る訓練ができているからです。
総入れ歯をオールオン4に入れ替えても、双方の体積はほとんど変わらないので発音に影響を与えないのです。

口のなかが小さくなってしまうから

オールオン4治療は、上の顎または下の顎の歯がすべてない方が受けることができます。上の顎または下の顎に1本でも天然の歯が残っていると、オールオン4を入れることができません。
つまりオールオン4の治療を受ける人には「歯がない期間が長い」という特徴があるのです。

歯がない期間が長くなると、口のなかが小さくなることがあります。これを専門用語で説明すると、「無歯顎によって歯槽骨の吸収が起き口元がやせる」となります。

骨の吸収とは、骨が溶ける症状です。
つまり、顎に歯が1本も無い状態が続くと、歯を支える顎の骨である歯槽骨が溶けてしまい、口のなかが小さくなる(口元がやせる)のです。
口のなかが小さくなれば、舌をうまく動かせなくなります。また口のなかが小さくなったところに体積が大きいオールオン4が入れば、さらに舌の自由な動きが阻害され、喋りにくくなってしまうのです。

顎の骨が大きすぎるから

顎の骨が大きすぎるから

歯を支える顎の骨である歯槽骨が大きい方は、オールオン4を入れるとき違和感が大きくなってしまう可能性があります。
オールオン4の上部構造と呼ばれる部品は「人工歯」と「人工歯肉」でできています。歯槽骨が大きいと、人工歯肉の厚みが無視できない違和感につながってしまうのです。それで発音がしにくくなってしまいます。
ただ歯医者は、歯槽骨が大きな患者さんには薄い上部構造を選択するので、歯槽骨が大きいからといって必ず喋りにくい状態になるわけではありません。

舌が肥大化するから

天然の歯が少なくなると、舌が肥大化することがあります。成人でも舌が成長してしまうのです。
舌は、口のなかに入ってきた食材を動かして歯の上下に運び、咀嚼を助けています。
天然の歯がすべて残っている人は、舌の活動範囲が歯によって狭められています。そのため舌は「肥大化する必要」がありません。
しかし歯がなくなると、舌にとっては「壁」がなくなるようなものなので、活動範囲が広がります。歯がない方の舌は、広がった活動範囲のなかで食材をコントロールしなければならないので、「肥大化する必要」が生じます。
肥大化した舌を持つ人の口のなかにオールオン4が入ってくるので、舌の動きが制限され、喋りにくくなるのです。

まとめ~結論は「慣れますのでご安心ください」

オールオン4を入れると喋りにくくなるメカニズムは、以上のとおりです。では、オールオン4を入れたことによる喋りにくさは、どのように解消したらいいのでしょうか。
答えは「慣れ」です。オールオン4を入れたことの発音のしにくさのほとんどは、時間の経過とともになくなっていきます。
口のなかがオールオン4という物体を含めた状態で「調和」が取れるようになるからです。オールオン4が入ると、肥大化した舌も次第に元の大きさに縮まります。
ただ、少しでも違和感を持ったら歯医者に訴えることは大切です。仮歯の段階から「喋りにくい」と感じたらしっかり歯医者に伝えましょう。

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