インプラント周囲炎はどうしてできてしまうの?予防する方法は?

インプラントを入れている方や、インプラントについて調べ始めた方なら、「インプラント周囲炎」という言葉を聞いたことがあると思います。
しかし「インプラント周囲炎は恐い」と知っていたにもかかわらず、予防を怠り、この病気を引き起こしてしまう方は少なくありません。
そこで今一度、
●インプラント周囲炎はどうして起きてしまうのか
●インプラント周囲炎を予防する方法
について今井歯科と一緒におさらいしておきましょう。

名前は恐くないが、実態はとても危険な病気

名前は恐くないが、実態はとても危険な病気

インプラント周囲炎のことを「インプラントの周囲がはれているだけ」と理解している人は注意してください。インプラント周囲炎の実態は、それイメージよりはるかに恐いものです。
インプラント周囲炎はインプラントの歯周病、と覚えておきましょう。「歯周病」と聞けば、多くの人が「歯を失うことになる恐い病気」と理解できると思います。

しかしここで「歯周病は天然の歯の病気のはず。人口の歯根を入れるインプラントが歯周病になるはずがない」と感じるかもしれません。
それも誤解です。
インプラント周囲炎は、歯周病より大きな被害を生じさせるのです。

インプラント周囲炎の発生メカニズム

それでは次に、インプラント周囲炎がどのように発生するのか解説します。
口のなかには500種類以上の細菌が存在します。なかには無害な細菌もありますが、そのなかに歯周病を引き起こす歯周病菌が含まれているのです。

歯周病菌は歯垢(しこう、プラークともいいます)のなかに潜り込んでいます。歯垢は食べかすで、粘着質の物体ですので、インプラントに付着します。
このとき歯磨きがいい加減ですと歯垢を取り除くことができず、やがて歯石が形成されます。歯石はその名のとおり石のように固くなっているので、もう歯磨きでは取り除くことはできません。

歯石がつくられてしまうと、歯周病菌が固くガードされている状態になります。つまり歯石が付着したインプラントは、歯周病菌の「天国」なのです。
歯周病菌はインプラントと歯肉の間に空間(ポケット)をつくっていきます。ポケットができると、歯周病菌はますます暴れることができます。そのためポケットはさらに広がり、さらに歯周病菌が暴れるという悪循環に陥ります。

この状態になると、歯肉が腫れたり出血したりします。それでも歯医者に治療してもらわないと、次はインプラントを支えている骨である「歯槽骨(しそうこつ)」が破壊されていきます。
これがインプラント周囲炎です。
歯槽骨はインプラントのいわば「土台」なので、歯槽骨が破壊されると最終的にはインプラントが脱落してしまうのです。
インプラント周囲炎はインプラントを失わせる病気、と覚えておいてください。

4つの方法でインプラント周囲炎を予防しよう

インプラント周囲炎が、最終的にはインプラントの脱落を招く恐ろしい病気であることを理解していただいたうえで、次にその予防法をみていきましょう。
予防法は次の4つがあります。
●歯磨きの徹底
●食習慣の改善
●禁煙
●歯科クリニックでの定期的なチェック
それぞれ詳しくみていきましょう。

歯磨きを徹底する

歯磨きを徹底する

インプラントを入れたら、これまで以上に丁寧に歯磨きを行ってください。例えば、1日3回食後に歯磨きをするだけでは足りません。もし夕食から就寝までに時間空いてしまったら、寝る前にもう1度磨いてください。
またサラリーパーソンは、昼食後と夕食後が「歯磨きの弱点」になってしまいがちです。なぜなら、「会社の事務所に洗面所がない」「夕食はほとんど外食」となりやすいからです。いずれも、きちんとした歯磨きができない状況を生みます。
しかしそれではインプラント周囲炎を完全に防ぎきることはできませんので、なんとか歯磨きスペースを確保してください。

さらに「ワンタフトブラシ」は使っていますでしょうか。これは、毛が5ミリ四方ぐらいしかない特殊な歯ブラシです。通常の歯ブラシは面で歯を磨きますが、ワンタフトブラシは点で磨きます。
先ほど、歯周病菌はインプラントと歯肉の間にできるポケットに潜り込む、と説明しました。ワンタフトブラシでポケットができそうな部分を丁寧にブラッシングすることで、予防効果を高めることができます。

食習慣を改善する

食習慣の改善も、インプラント周囲炎の予防に効果があります。間食はなるべく控えましょう。間食するということは、口のなかに食物がある時間が長くなることを意味します。食物は歯周病菌の「餌」なので、間食は歯周病菌を元気にさせるようなものなのです。
インプラントを入れた方は、「3度の食事」を守るようにしてください。

食習慣では、噛む回数もインプラント周囲炎と深く関係しています。理想は1口30噛みです。たくさん噛むと唾液の分泌量が増えます。唾液はインプラントに2つのよい効果をもたらします。1つは唾液の持つ殺菌効果で、歯周病菌の力を弱めることができます。また大量の唾液は、歯垢がインプラントに付着することを防ぎます。

禁煙

禁煙

インプラントを入れて、まだタバコを吸っている方は、1日も早く禁煙することをおすすめします。喫煙は血行を悪くするので、インプラントの周囲の細胞に届く血液が減ってしまうのです。
血液が減ると栄養や酸素が届きにくくなるので、細胞が歯周病菌に負けてしまいます。それでインプラント周囲炎が進んでしまうのです。

まとめ~歯科クリニックで定期的にチェックしてもらおう

4つの予防法のなかで最も重要なのは、歯科クリニックに行き、歯医者にチェックしてもらうことです。インプラントを入れたばかりの人は3~6カ月に1回は歯科クリニックに行きましょう。3年以上経過したら、1年1回くらいでも大丈夫です。
定期的な受診は、異変がなくても受けてください。そしてインプラントの周辺に違和感を持ったら、定期受診とは別に、すぐに歯医者に診てもらってください。
それがインプラントを長く使うコツです。

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