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「虫歯を治療しない」先に待つ怖すぎる事態

以下、東洋経済オンラインからの記事です。

東洋経済オンライン 5月22日(日)6時0分配信

あなたは虫歯になったことがありますか? 

 ごくごく軽度なら再石灰化という人間の治癒機能で修復したり、簡単な治療で済んだりしますが、進行して重度の虫歯になってしまうと歯の大部分を削って金属やセラミックなどで詰め物をしたり、最悪は歯を抜いたりなどという処置が必要になります。重度の虫歯は自然には治らないからです。

■ 最悪の場合、虫歯が原因で死に至る

 そもそも虫歯とはミュータンス菌という細胞がつくる酸によって、歯が溶かされてしまう病気です。もし、虫歯があることを自覚していても、痛みがなかったり、我慢していたら痛みが消えたりしたといって放置している人もいるかもしれません。虫歯の治療は痛いし、何度も歯医者に通わなければならず、面倒だからです。

筆者は歯科医師として歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信していますが、そこで訴えていることのひとつが、虫歯を放置することの危険性です。「虫歯を放置したところで大きな病気になるわけでもないし、命に関わりがない」と考えている人も少なくないでしょう。虫歯を病気として受け止めておらず、痛みや不具合が出てから歯医者に駆け込む人が多いと筆者は印象を持っています。 ところが、虫歯を放置しすぎると大変なことになります。最悪は虫歯が原因で死に至ることがあるぐらいです。2014年にイタリアのシチリアで18歳の女性が敗血症のために死亡しました。その原因が虫歯だったのです。

 虫歯は、放置し続けるとドンドン広がり歯を破壊します。その後、歯の根っこの先まで広がり、原因菌が顎の骨まで到達し、炎症を起こしてしまいます。その炎症の部分から、今度は原因菌が血管に入り込み、血液の流れに乗って体内を巡ります。最終的に、脳や心臓に到達してしまう場合もあります。

 脳や心臓など最も重要な場所に原因菌が到達してしまうと、最悪の場合は死に至ることもあります。体調が極端に悪かったり、糖尿病などのその他の病気を抱えていたりするのは要注意です。普通であれば免疫力で抑えられているものが、免疫力の低下で抑えきれなくなり、脳や心臓に到達してしまうのです。

■ 鎮痛剤が効かず、眠れないほどの激痛

 ここまでのケースは極端な例ですが、死に至らないまでも入院して手術しなければならないケースや耐え難いほどの激痛に襲われることもあります。そうでないまでも虫歯を放置すると歯が崩壊したり、顎の骨まで原因菌が広がったりすると薬も効かず、夜眠れないほどの激痛に襲われたりします。顎の骨に原因菌が広がり炎症がひどくなると入院して顎の骨を切除する手術をしなければならないこともあります。

 虫歯の菌が歯の根っこ先まで進行し、根の先で繁殖するときに出る顎の骨を圧迫するような圧力で激痛を引き起こすときがあります。この痛みは、ひどい時は鎮痛剤も効きにくく、一説では人が耐えられる痛みの中で2番目に痛いと言われています。女性の患者様に出産より痛かったと言われたことがあります。ちなみに、一番は狭心症の痛みのようです。(もちろん人によって痛みの閾値は違いますが)

 ほかにも、上顎の奥歯を放置したことによって副鼻腔炎(蓄膿症)になりひどい頭痛に悩まされることがあります。上顎の根っこの先は副鼻腔に近く、根の先まで進行した細菌が副鼻腔にまで流れ込んで副鼻腔炎になることがあります。この時に副鼻腔の内圧が高まり、周りの神経を圧迫して頭痛を引き起こします。

 このように虫歯を甘く見て放置してしまうと、かなりおおごとになってしまうこともあります。そうでなくても、本来1~2回で治療が終わるところが、放置してしまったために数カ月かかってしまうこともあります。

 平気だと思っていて、痛みがなくても、治療せずに虫歯菌がいなくなることはありえません。気がつかないうちに虫歯は体の中に入り込んでいるのです。脳の血管に入り込んだ場合、血栓を作って血液の循環を悪くして頭痛を引き起こしたり、最悪の場合、脳梗塞など命に関わる病気に発展したりすることもあるのです。

 歯科の基本は、「痛くなる前に」です。定期的に検診を行っていれば治療中の痛みもなく、歯も健康でいられます。

小林 保行