虫歯にならない?赤ちゃんの歯についた歯石の対処法

赤ちゃんの歯にも、歯石(しせき)ができる可能性はあります。しかし、2歳ぐらいまでの赤ちゃんの場合、歯石だけでとどまっているのであれば、過剰な心配は必要ありません。なぜなら、2歳ごろまでの赤ちゃんの口の中は、虫歯ができにくい環境にあるからです。
ただ、その歯石が「歯肉炎を引き起こす」ことはあります。その段階にまで進んだら、今井歯科に行きましょう。
とは言え、やはり歯石はないほうがいいので、歯石を形成しづらい歯のケアを紹介します。永久歯に歯石をつけないように、今から対策を取っておきましょう。

そもそも歯石とは

そもそも歯石とは

赤ちゃんの歯石防止ケアを紹介する前に、歯石のメカニズムについて解説します。
歯石には、「虫歯の原因になる」「カチカチに固い」という性質があります。
歯石はいきなり発生しません。歯石の「元の姿」は、口の中の食べ物のカスです。歯磨きを怠ったり、歯磨きをしていても十分磨けていなかったりすると、食べ物のカスは何時間も口の中にとどまることになります。
口の中は暖かくて程よく湿っているので、食べ物のカスは簡単に腐敗します。そこに口の中の細菌が住み着きます。細菌の作用によって、腐った食べ物のカスはネチャネチャした粘着性を持つようになるわけです。
粘着性が高いと歯にしっかりとこびりついてしまい、ますますブラッシングで取り除きにくくなります。これが歯垢(しこう)と呼ばれるものです。
歯垢を放置していると、もう1つの化学変化を起こします。歯垢が、唾液の中に含まれているカルシウムと結合し石灰化するのです。
石灰化とは「石のように固くなる」ことです。
これが歯石です。
歯石になってしまうと、どんなに丁寧に歯ブラシしてももう落とせません。歯科クリニックで金属の器具で引っ掻いてもらう必要があります。
歯石の「材料」は、食べ物のカスと細菌とカルシウムです。口の中の細菌はたくさんの種類があり、中には無害な細菌もありますが、中には虫歯菌も存在します。虫歯菌を含む歯石が歯にこびりついたら、虫歯菌は暴れ放題です。
そのため、歯石が歯を虫歯にしてしまうのです。

なぜ「歯石だけ」なら赤ちゃんは心配ないの?

歯科医は大人には「とにかく歯石に注意してください」と口を酸っぱくして呼び掛けています。ではなぜ、赤ちゃんの歯の状態が「歯石だけ」なら神経質にならなくていいのでしょうか。
それは、2歳ぐらいまでの赤ちゃんの口の中は虫歯ができにくくなっているからです。
虫歯は虫歯菌にさらされることで発生するのですが、虫歯菌は元々人の口の中に存在するものではありません。親御さんとキスをしたり、大人が使った食器を経由したりして子供に虫歯菌が移ってしまうのです。
しかし、2歳くらいまでの赤ちゃんは、唾液を大量に出します。唾液には虫歯菌を退治する力があるので、赤ちゃんぐらい唾液を出していると、さすがの虫歯菌も繁殖できないのです。
それで、赤ちゃんに歯石ができても虫歯になる心配はあまりないので、「歯石だけならそれほど神経質にならなくても大丈夫」となるわけです。

歯石が歯肉炎を引き起こしたら歯医者にかかろう

ただ、赤ちゃんの歯石がまれに、歯肉炎を引き起こすことがあります。
歯肉炎に進んでしまうと、痛みや不快感が発生しますので、赤ちゃんが苦しがります。
歯医者で炎症を取り除いてもらってください。

赤ちゃんの歯に歯石をつくらないようにするケア

赤ちゃんの歯に歯石をつくらないようにするケア

歯石ができるということは、親御さんが赤ちゃんの歯を上手にケアできていないサインでもあります。歯石は心配なくても、歯石ができてしまうようなブラッシングは不安です。
そこで親御さんは、これから紹介する歯石をつくらないケアを覚えておいてください。

ガーゼを使おう

赤ちゃんの歯はとても小さいので、いくら赤ちゃん用の歯ブラシといっても、細かい部分に届かないかもしれません。
そういった場合は、ガーゼを使ったケアが有効です。
親御さんが、利き腕の人差し指にガーゼを巻き、それを赤ちゃんの口の中に入れて歯や歯肉をマッサージするように汚れを落としていってください。
また、ガーゼを巻いた指を口の中に入れる前に、赤ちゃんの口の中を水で湿らせることを忘れないようにしましょう。
口の中に入れた指に力を入れる必要はありません。
ガーゼはそれほど厚く巻かなくて大丈夫です。また、ガーゼは糸くずが発生しやすいので、指に巻き付けるときは十分注意してください。

8カ月目くらいから歯ブラシを使う

歯ブラシを使い始めるのは、生後8カ月目ぐらいが目安です。
ガーゼを使い慣れると、親御さんとしては「ガーゼのほうが確実に汚れが取れる」と感じると思いますが、そろそろ赤ちゃんに歯ブラシの感覚に慣れてもらわなければなりません。
このとき、歯磨き粉はつけないほうがいいとされています。
もし親御さんが、歯磨き粉をつけないと磨いた感じがしないと思ったら、乳幼児用のジェルタイプの歯磨き粉が売っているので、それを使ってみてはいかがでしょうか。

砂糖に注意

砂糖に注意

砂糖は、歯石の元となる歯垢をつくりやすくしてしまうので、歯を守る観点からいえば、赤ちゃんはもちろんのこと、大人もあまり摂らないほうがいい食材です。
しかし砂糖は、摂っていないつもりでも摂ってしまう食材です。意外な食材に砂糖が含まれているので、加工食品を子供に食べさせるときは、成分表をしっかりと確認しましょう。
特に、フルーツジュースは砂糖が入っていることが多いので、気を付けてください。

食器を共用しない

虫歯菌は感染するものなので、赤ちゃんが使った食器を大人が使ったり、大人の食器で赤ちゃんに何か食べさせたりしないようにしてください。
食べ物を口移しで与えることもNGです。

注意深さは必要ですが神経質になりすぎないように注意しましょう

子供の歯の健康は、間違いなく親御さんの努力にかかっています。ですので、親御さんが赤ちゃんの歯を注意深く観察することはとても良いことです。
しかし、子育ては長丁場ですから、神経質になりすぎてはいけません。赤ちゃんの歯石についても「2歳ぐらいまでは心配ない」「少し悪化したら歯科医に相談すればいい」くらいの気持ちでいてください。

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