いつから離乳食にすべき?赤ちゃんの歯の生え方と食べ物の選び方

赤ちゃんがいる親御さんは、子供の成長ぶりを楽しみする一方で、哺乳から離乳食への移行に頭を悩ませているのではないでしょうか。

我が子と同じころに生まれた子供が固形のものを食べられるようになったと聞くと、「うちの子にも同じものを食べさせなければならない」と焦るのは親心です。
また、子育て本には、「生後何カ月ごろに何を食べさせるか」というアドバイスが書いてあり、我が子の離乳食化がそのスケジュール通りに進まないと「問題があるのではないか」と不安になるでしょう。

しかし、離乳食への移行で重要なのは、赤ちゃんの口の中の様子です。とりわけ歯の成長の見極めが大切なのです。
そこで今回は今井歯科が、赤ちゃんの歯の生え方と食べ物の選び方について、皆様と一緒に考えていきたいと思います。

離乳食に移行する意義

離乳食に移行する意義

赤ちゃんにとって、哺乳から離乳食への切り替えタイミングはとても重要です。なぜなら、母乳・ミルクと離乳食は、まったく異なる食べ物だからです。獲得する栄養素やエネルギーが激変することを意味します。成人ですら、これだけ大きな「食べ物の変化」は生じません。
それをあの小さな体で受け止めるのですから、離乳食方は赤ちゃんに大きな影響を与えます。だから、離乳食への切り替えタイミングが大切なのです。

また、離乳食は社会性を身につける上でも重要です。
哺乳という食事形態は、赤ちゃんと親との1対1との関係でした。ところが離乳食に移行すると、赤ちゃんは「一家の食事の場」という「社会」に置かれるようになります。赤ちゃんは離乳食を通じて、みんなと食べることの喜びを肌で感じるようになるのです。

離乳食への切り替えタイミングを難しくしているもの

哺乳から離乳食への切り替えタイミングが難しいのは、歯を含む口の中の機能の発達が、赤ちゃんによって大きく異なるからです。
歯、顎、歯茎、舌、唇、喉の各器官が連携して働かなければ、「飲む」から「食べる」への変化を支えきれません。
離乳食のメニュー内容は、赤ちゃんの口の中に成長に合わせて決めなければならないということです。

親御さんは、次の2点を心がけておいてください。
A:大体この時期にこの離乳食を与える、という大まかなスケジュールを把握しておく
B:歯の状態と、それに適した離乳食メニューの関係を理解する

Aで離乳食化の計画を立て、Bで微調整していく、という方針をおすすめします。

4段階に分けて徐々に離乳食を固くしていこう

離乳食化の大まかなスケジュール(A)は、次の4段階に分かれます。
1:生後5~6カ月:歯が生えていない状態
2:生後7~8カ月:下の前歯が見え始める
3:生後9~11カ月:上の前歯が生えてくる
4:1~2歳:第1乳臼歯(手前の奥歯)が生えてくる

ひと口に「離乳食」といっても、様々なメニューがあります。ポイントは食べ物の固さと形状です。
1~4の離乳食の特徴を紹介していきます。

1:生後5~6カ月:歯が生えていない状態

1:生後5~6カ月:歯が生えていない状態

生後5~6カ月が経過して、まだ歯が生えていないころは、野菜をドロドロ状にしたものを食べさせてみてください。

ドロドロ状ですので、固形物が入っていてはいけません。ドロドロ状の固さは、プリンよりは圧倒的に軟らかくしてください。目安は「飲みごたえのあるスムージーぐらい」です。

ドロドロ状とはいえ、それまで母乳やミルクしか口に含んだことがない赤ちゃんにとっては、飲み込むことが困難なものです。赤ちゃんはこのドロドロ状の食べ物で、唇と舌の使い方を覚えるのです。

このころの赤ちゃんの食べる動作は、次の通りです。
唇で食べ物を確保する

食べ物を落とさないように口を閉じる

舌を使って喉に送る

呼吸を一瞬止める

一気に飲み込む

野菜をドロドロ状にしたメニューは、こうした食べる動作に適した形状なのです。

2:生後7~8カ月:下の前歯が見え始める

生後7~8カ月が経過して、下の前歯が見え始めたら、ドロドロ状から少し固さをアップさせたプリプリ状のものを食べさせてください。
「7~8カ月」は目安にすぎないので、これより数カ月遅れても大丈夫です。重要なのは「下の前歯の見え始め」です。

プリプリ状の固さの目安は、豆腐やプリンです。例えばニンジンであれば、ドロドロ状とプリプリ状では次のような違いがあります。
●ドロドロ状:ニンジンをすりおろしてから煮込む
●プリプリ状:ニンジンをみじん切りにしてからよく煮込む

下の前歯は、舌と唇の間の境になります。これにより赤ちゃんは唇と舌を明確に区別できるようになり、唇と舌を使い分けできるようになるのです。
食べ物を舌で押しつぶす練習をするため、ドロドロ状よりは固いプリプリ状が望ましいのです。

この時期になってもドロドロ状のものしか与えないと、丸飲みの癖がついてしまいます。プリプリ状のものを食べさせることで、口をモグモグさせることが大切なのです。

3:生後9~11カ月:上の前歯が生えてくる

3:生後9~11カ月:上の前歯が生えてくる

下の前歯に続いて上の前歯が生えてきたら、フワフワ状にステップアップしましょう。イメージとしては蒸しパンの固さです。

このころになると、歯茎が盛り上がってくるので、食べ方では「舌での押しつぶし」に加えて「歯茎でつぶす」という動作が加わります。
フワフワ状のメニューも難なく食べられるようになったら、軟らかく煮込んだうどんをきざんだものを食べさせてもOKです。

4:1~2歳:第1乳臼歯(手前の奥歯)が生えてくる

赤ちゃんの奥歯(臼歯)は上下左右に2本ずつ、手前の奥歯(第1乳臼歯)と奥の奥歯(第2乳臼歯)あります。
先に生える手前の奥歯が生えてきたら、ほぼ離乳が完了します。幼児食を検討する時期でもあります。
幼児食は、ほとんど大人と同じメニューで大丈夫ですが、味薄め、野菜多めを心がけましょう。

「歯日記」をつけてみましょう

「歯日記」をつけてみましょう

赤ちゃんの口腔ケアをするときに、観察した口の中の様子を「歯日記」としてメモ書きしてみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんの成長はとても早いのですが、毎日接触していると日々の違いに気がつきにくくなります。歯日記をつけておけば「前歯の先端が歯茎の下に薄っすらと見えてきた状態」と「前歯の先端が歯茎を突き抜けた状態」の違いを、しっかり把握できます。
そして、歯日記をつけておけば、歯科クリニックにかかるときも歯科医に正確な情報を伝えることができるので、治療にも役立ちますよ。

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