歯科についてQ&A

歯について

歯みがきをしっかりとしているのに、むし歯になるのはなぜ?
虫歯の発生には、その原因となる細菌の量や歯質の硬さ、唾液の影響(浄化作用、緩衝作用、抗菌作用など)そして飲食の頻度や食物に含まれる糖などの要因が複雑にかかわっています。
健全な状態でも多くの歯が虫歯になるのは、日常生活の中で脱灰力(歯の表面が溶ける量)が再石灰化力(歯の表面がもとにもどる量)よりも優勢になるためです。
むし歯でも自然に治ることがあると聞きましたが?
ごく初期のむし歯は好条件のもとでもとに戻る場合もあります。むし歯の予防、抑制には、口腔清掃の徹底、糖類摂取の制限、フッ素などによる歯の質の強化などがあります。ただし、むし歯を自覚した場合はなるべく早めに歯科へ行き治療を受けましょう。
歯を白くする方法は?
質の削除による修復処置やホワイトニング(歯の漂白)があります。
歯質の削除による修復処置は現在はセラミック、高分子材料などを用いて処置致します。ただし、歯牙組織への侵襲なくしてはなりたたず、歯質の色調が悪いという理由だけで健全な歯質を削除することはあまりお勧めできません。
ホワイトニングは歯を削らなくても良いのですが、適応か否かを歯科医と相談されることをお勧めします。薬を歯に塗布することで、歯の色を改善する方法なので、『切削→修復』という方法をとらなくてすみます。自宅でできるホームホワイトニング(歯科医師の指導により、患者自身が自宅で行う)という方法もございます。が、患者さん自身が自宅で行うため、安全面で不安があり効果が出るまで時間が必要です。

お子様の歯について

歯みがきは開始は何歳くらいから?
生後六ヶ月頃から前歯が生えはじめ、満一歳になる頃には前歯が揃ってきます。この頃から始めることを推奨します。歯ブラシを使う事を嫌がらない場合は良いのですが嫌がる場合は、母親が親指と人差し指にガーゼを巻き付け、歯の根元から先端に向けてガーゼを動かして汚れを取って下さい。この頃は学習能力が高くなる時期ですので、歯みがきをしているところをお子さんに見せる事も大切です。
永久歯が見えないまま乳歯が自然に抜けました。そのまま放置してもよいのですか?
抜けた原因や場所にもよりますが、いずれ永久歯が生えてくるからと放置している方を時々見かけます。特に奥歯は放置しておくと、上手に噛めず片側噛みのクセがつく可能性があります。また、六歳頃一番奥に「六歳臼歯」と呼ばれている第一大臼歯が生えます。早期に乳臼歯を失うと六歳臼歯の位置がずれて歯並びにも影響します。永久歯の生えてくるスペースの確保が必要な場合もあります。一度歯科に相談して頂いた方がよいでしょう。
六歳臼歯がむし歯になりやすいと聞きました。
六歳臼歯は乳歯の影に隠れて一番奥にゆっくりと出て、歯ブラシの届きにくい状態が長く続く事が原因です。スナック菓子などの食べかすが歯に残る物を食べる事が多い時期で、 生える途上の六歳臼歯は歯の質が未完成でむし歯菌に対する抵抗力が弱く、歯みがきをしっかりしていないと大きなむし歯に発展する場合があります。

歯周病について

喫煙者は歯周病の進行が早く、治癒しにくいと聞きました。
喫煙はニコチンの作用で血管を収縮させ、歯ぐきの血行を阻害するだけでなく、歯ぐきの生体防御作用の機能低下を起こす為、歯周病の進行が早く治療が困難となります。
歯槽膿漏は放っておくとどうなりますか?
歯を支えている歯周組織が破壊され、歯を支えられなくなり最後には抜け落ちてしまいます。 また、歯周病は噛み合わせに不具合があったりすると、進行は早くなります。
全体的にタバコや糖尿病なども影響します。歯の周囲にある歯肉や骨が細菌の毒素によって侵害をうけ、ダメージをどんどん蓄積します。
歯肉は赤く腫れる、骨は除々に溶けていってしまう、最終的に歯がグラグラし抜けてしまいます。むし歯よりも歯を失う確率は高いです。
歯周病の早めの治療とは、どんな症状のときに行えばよいのですか?
歯周病は大変に毒性の強い、特殊な細菌による感染症で、歯や歯周組織はいつもその感染の危険にさらされています。やっかいなことに、歯周病の感染の初期にはほとんど自覚症状がないか、あってもごく軽微で長くは続きません。
ですから多くの患者さんは、歯周病の感染に気づかないうちに病態は悪化していくというのが普通です。ブラッシングをすると出血する、あるいは水がしみる、歯肉がむずがゆい、違和感があるなどいつもと違う不快症状がでたら要注意です。
正しいブラッシングによるプラークコントロール(口腔清掃)や、歯科医・歯科衛生士による処置・指導を受けてこそ、歯周病の進行は抑える事ができるのです。

歯並びについて

成人でも矯正はできるのでしょうか?
成人の方でも矯正治療は可能です。特に年齢制限はありません。しかし、成人は若年者に比べて矯正治療に対する生物的適応が低いので、理想的な形の歯列や噛み合わせをつくることが少し困難になります。また歯が動くスピードが若年者より遅いので、治療期間がやや長期になる傾向があります。 更に重度の虫歯や歯周病(歯槽膿漏)が無いなど、適応が限られてきます。
矯正は何歳くらいから?
矯正の開始時期については治療の年齢制限がないため、明確な基準がないのですが一般的には永久歯が生えそろった12歳~20歳くらいまでが適当と考えられます。この時期は歯の移動がスムースに行われやすく、比較的短期間の治療が可能です。
しかし、場合によっては4~5歳くらいの乳歯の時期から始める場合や、様々な理由から成人になってから治療を開始しなければならない場合もありますので、出来るだけ早期に歯科に相談されることをお勧めします。
歯科健診で歯並びの治療勧告を受けました。
健診などで歯並びの検査をすることは、自分の歯並びの状態を理解してもらい、助言を与えることにあります。歯並びの状態によっては、歯並びに悪い影響を与える癖を早く治したり、正しい噛み方をすることで自然に治ることも少なくありません。
また検査の結果矯正治療が必要となった場合でも、早期に治療することで重度の不正を回避出来る場合もあります。歯並びの異常を指摘されたら、かかりつけの歯科で相談してみて下さい。

詰め物について

歯を抜いたあとは義歯を入れたほうがよいでしょうか?
歯は隣同士の歯が支え合っていると同時に、上下の歯がお互いに噛み合うことで、その位置を保っています。そのため、歯が抜けたままにしておくと、安定性が失われていろいろな不都合が起きます。例えば、歯を失ったままで放置していると隣の歯がだんだん倒れ込んできてしまいます。更に抜けた歯の反対側の歯(上の歯が抜けた場合は、その下あごの歯)が飛び出てきます。
結果として噛み合わせはくるい、むし歯も出来やすくなります。また、多くの歯が抜けたままで長期間放置され、片側だけで噛み続けていると顔がゆがんでくる可能性もあります。
そのため歯が無くなったところには、隣の歯などに固定するブリッジや取り外し式の入れ歯、更には人工の歯根を顎の骨に埋めるインプラント等で補うことをお勧めします。
歯に詰めてもらいましたが、冷たい物がしみます。
むし歯などの治療においては、むし歯が再発しないように、感染した部分を出来るだけ完全に削り取って、詰め物を入れる処置をします。つまりむし歯が少し深い場合は、神経に近いところまで歯を削らなければなりません。
その場合、詰め物を入れた後に痛みが出たり、しみたりすることがあります。が、ほとんどの場合は時間の経過とともに徐々に痛みが無くなりますので、心配ありません。もし症状が悪化したり、一ヶ月以上経っても症状が改善しない場合は、もう一度歯科に相談された方が良いと思います。歯の神経が異常をきたして、神経を取る処置をする必要がある場合もあります。
歯の神経をとったのに、まだ噛むと痛むのですが・・・。
進行したむし歯などが原因で歯の神経(歯髄)に炎症が及んだ場合、やむを得ずこれをとり除く治療(抜髄治療)を行うことがあります。その後、副作用的に歯の周囲に炎症を引き起こすことがあります。
噛んだときに痛みが発生する原因となっている場合もあります。このような痛みは、治療を受けた日から通常2~3日、長くても1週間程で自然消失する場合が多く、それほど心配はいりません。が、非常に進行したむし歯などでは、抜髄治標を行ったにもかかわらず、一時的にかえって痛みが増大したり、歯肉に腫れをきたしたりする場合もあります。

入れ歯について

入れ歯を入れた後も治療や定期検診に行ったほうがよいですか?
敏感な口腔に入れ歯を入れるのですから、入れ歯に慣れ自分に最もよく合うものになるまでにはリハビリの期間が大切です。違和感が強い時、接触が強すぎる場合にも、歯科医とともに根気よく努力すれば、快適な入れ歯となります。
また、年月に伴う口の中の変化や、人工歯の磨耗などによって入れ歯が合わなくなることがあります。そのような入れ歯を長い間使用していると、残った歯・歯ぐき・顎関節などお口全体に悪影響が生じます。定期的に通院することで問題点を解決し、入れ歯とうまく付き合いましょう。
良い素材の入れ歯はありますか?
一般的に入れ歯の材料にはプラスチックと金属があります。チタンや白金などの金属はプラスチックに比べると、薄くすることが可能で異物惑が少ない・破損しにくい表面が滑沢で吸水性がなく衛生的である・熱伝導性が良好なので食吻の冷熱変化が判りやすく、味覚も感じやすいなどの長所があります。
しかし、良いことばかりではなく修理や調整がプラスチックに比べ困難な場合が多く、また金属の入れ歯は保険対象外になります。残っている歯や顎の状態によってはプラスチックの入れ歯の方が良い場合もありますので、歯科医と良く相談しましょう。

歯ぎしりについて

歯ぎしりは良くない事?
睡眠中の歯ぎしりや食いしばりそのものを異常なものであるとはいえませんが、性格、ストレス、薬などの影響で強調されることがあり、歯ぎしりなどが異常に増強した場合には病的な状態を招くとしています。歯ぎしりそのものを止めさせるというよりは、軽度に、いかにスムーズな歯ぎしりを行うことが出来るかという事を、治療の方針として考えるようになってきました。
歯ぎしりの予防法は?
健康保険では歯ぎしり予防の為にナイトガードと呼ばれているボクシング等で使用されるマウスピースのような予防・改善器具の作製が認められています。 原因は心因性・噛み合わせ、など複合的なので対症療法が中心となりますが、改善できる場合もありますので、一度ご相談下さい。

インプラントについて

高齢者でも治療はインプラントは可能ですか?
インプラント治療を受けるためには特に年齢的な制限はありません。インプラントではあごの骨が十分な厚みなど持っているかなどが重要なのでその点をチェックします。大体の目安としては、70代くらいまでなら治療できるとされています。
インプラントは自分の歯とは違うとわからないのですか?
金属物例えばバネなどは一切外からは見えませんので、たとえ大きく口を開けても留め金や何かが見えてしまうといったことはありません。入れ歯の様な不快な思いをすることはありません。
入れ歯は長年使うと合わなくなりますが、インプラントは大丈夫ですか?
何年くらい使えるものなのですか?
インプラントは大事に扱えば一生使えるとされています。もちろん「何年間も絶対に保つ」保証があるわけではありませんが、臨床的には15年を過ぎても90%の方が安定して使用しているという報告やデータがあります。なお入れ歯と違い年数が経て合わなくなって外れることはありません。
歯槽膿漏でも手術はできますか?
歯槽膿漏にかかっている方はお口の中の衛生状態が悪い場合が多く、そのままではインプラントを入れることはできません。治療と正しい歯磨きを身につけることで歯槽膿漏を治し、それからインプラント治療を行います。
インプラント手術後の注意点はありますか?
術後1~2日の間は感染に注意していただきたい期間でもあり、やや腫れて食事が難しくなるケースが多いため、食事は固いものを避けて、栄養ドリンクやスープなどの流動食をお召し上がりください。翌日くらいまで出血が続きますが、強くうがいをするようなことは避けてください。当日は歯磨きも避けてください。それ以降は担当医師の指示に従ってください。

矯正歯科について

何歳頃に、相談したらよいでしょうか
症状によって、治療開始時期が違いますので、気づいた時点で、なるべく早くご相談されることをおすすめします。
大人でも治療できますか?
基本的には高齢の方でも、矯正治療は可能ですが、虫歯や歯槽膿漏が完全に治療されて、健康な歯である必要があります。
治療期間と費用は、どの位ですか?
症状によって、期間や費用は違います。ふつう半年~3年くらいで、その後1年ほど後もどりしないように、保定する期間が必要です。矯正は口蓋裂など特殊なものを除き保険が適用されません。地域によって費用が異なり、約40万~150万ほどで分割も可能です。治療計画の説明の時、納得のいくまでおたずね下さい。
どのくらいの間隔で通院するのですか?
口の中に装置が入った場合、だいたい月に1~2回程度です。予約日を守ることは、早く治る事につながります。決められた通院日には、忘れずに来院しましょう。
歯ならびを治すために、歯を抜くことがありますか?
きれいな歯ならびにするには、歯を移動させる隙間が必要なので、八重歯など重なりのある歯は、その後の歯を抜くこともあります。抜いた所の隙間が残ることはありません。
口の中に装置を入れると、痛くありませんか?
痛みを感じない人もいますが、一般に3~4日は、歯の浮いたような痛みがあります。約1~2週間で痛みがとれます。
口の中に装置を入れた時、食事は今まで通りで良いのでしょうか?
かたい物やねばつく物(ガムやキャラメルなど)は、装置をこわしやすいので、さけるようにして下さい。
口の中に装置が入っていても、スポーツや吹奏楽器はつづけられますか?
楽器はつづけられるものもありますが、過激なスポーツは、装置をこわすおそれがありますのでさけて下さい。
歯みがきは、今まで通りできますか?
歯みがきをして、装置がこわれることはありません。汚れがつきやすいので、教わった方法で、今まで以上に丁寧にみがきましょう。
矯正治療中、虫歯ができたらどうなりますか?
今まできちんと歯みがきができていた人は、虫歯になりませんでした。もし、虫歯ができてしまうと、装置をはずして虫歯の治療をしなければいけないので、矯正期間が長引いてしまいます。虫歯にならないように、教わった方法で正しく丁寧にみがきましょう。
矯正治療中に、転勤になった場合はどうなりますか?
転居先の先生をご紹介します。治療を継続していくために必要な資料(X線写真・歯の模型・治療の記録など)を作成しますので、早目にお申し出下さい。
目立たない方法で治療できますか?
歯の裏側へ装置をつけて、外からはほとんどわからずに治療する方法があります。歯の表側につける方法より、費用及び治療期間は余分にかかります。
なぜ歯ならびが悪くなるのですか?
遺伝的なものもありますが、乳歯が抜けたあと、その隙間を確保しておく処置をしていなかったり、指しゃぶりをしていると、歯ならびを悪くします。また、食生活の変化により、顎が十分に発育しないので、歯ならびを悪くする傾向にあります。
矯正治療をはじめるには、どのような事をするのですか?
歯型や顔や顎のレントゲン写真をとり、総合的に診断し、説明を行います。

予防歯科について

予防歯科は痛くない?
痛くないです。歯の表面をツルツルにしたり、その他をお掃除するだけだからです。
予防歯科は保険治療内ですか?
基本は保険治療内です。その他により一層、予防効果が上がるケアは自費診療で受診できます。
どれぐらいの間隔で予防歯科の検診を受ければ良いですか?
口腔内の環境や清掃状態・唾液の成分により個人差はありますが、通常3ヵ月ごとの歯石除去をおすすめしています。
歯石を除去するのに痛みは無いですか?
痛みにも個人差があります。歯肉の状態・歯石のついている量・硬さ(ついている期間)などによって変わってきます。歯肉の状態も良く定期的に除去されていて歯石の量も少ない方はほぼ痛みはありません。
※もし強く痛みが出る場合は麻酔をしてから除去することも出来ます。
フッ素はどんな効果?
地中、海、川、植物、動物などに微量ですが含まれている自然環境物質です。歯質を酸に溶けにくい性質に変えることができるため、虫歯菌に有効です。
虫歯菌や歯周病菌に効く薬はないの?
虫歯や歯周病の原因菌は、ネバネバのバリア(バイオフィルム)という特別な構造に守られています。
そのため、薬に対する反応が鈍くなっているため、効果が出にくいのです。
もし効果を得る為に薬(抗生物質)を使うのならば相当高濃度でないと効果がないとおり、大切な菌達も殺してしまうことになります。そのため薬で治すのは難しく、効果的で副作用や耐性菌の事を考えると、日々のブラッシングと、それをサポートするPMTCになります。
薬用洗口液は虫歯菌や歯周病菌に効くのでしょうか?
薬用洗口液だけで虫歯や歯周病を予防したり治したりすることはできません。なぜなら、細菌がネバネバとしたバリア(バイオフィルム)を形成してしまい、外部からの攻撃に耐えうる様な構造をつくっている為です。その中にいる細菌には、殺菌作用のある洗口液でも細菌に届きにくくなってしまうからです。基本的な歯ブラシの補助的に使う事で、その効果は期待出来るかもしれません。
花粉症があると虫歯や歯周病になりやすいって本当ですか?
唾液には分泌型免疫グロブリンAという抗体が含まれ、それによって、免疫が機能します。特に、口から腸までの消化管という所の免疫機能は、全身の免疫の70%も担っているとも言われています。花粉症の症状を軽減するための薬の作用や花粉症による花づまりが原因の口呼吸などで唾液が減少すると、虫歯や歯周病など、口の中の感染症を起こしやすくなります。よって、花粉症があると虫歯や歯周病になりやすい可能性があります。
お口のケアーを怠ると体にも悪影響があるって本当ですか?
寝たきりの状態や、体が弱っている方は、お口の細菌(プラーク)が原因となり、『誤嚥性肺炎』という肺炎を引き起こす事がありますので、虫歯や歯周病の他、肺炎予防のことからもお口のケアはとても大切なのです。
最近では、歯周病や歯垢と糖尿病や心筋梗塞、早期低体重児出産等との因果関係があるのではないかという研究が数多く行われています。まず、ご自身のお口の環境を理解し、虫歯や歯周病の原因を知り、ならない様にする事が大切です。
どんな虫歯でも治療はした方がいいの?
治療をした歯は、また虫歯になるリスクが高く、ここから治療の繰り返しが始まってしまいます。世界中で行われている治療の2/3は再治療という、この事実を裏付けるデータがあります。虫歯は、即治療ではなく、その原因をしっかり見極めることが大切です。